Connoisseures Club -- May. 2003 --

ARDBEG

2003年5月度 コニサーズクラブ
テーマ:アードベッグ
2003年5月25日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、アイラモルトのなかでも、もっともピートを焚いているといわれているアードベッグである。
ところが最もピーティーであるはずのアードベッグではあるが、5本ノージングを終えたところで、今日はアイラではないなと思ってしまったのである。 それは、No.1, No.2, No.3,にほのかに甘い香りがあったからであり、さらに飲んでみると、No.2, No.3, No.4, No.5,に酸味が感じられ、 頭の中にあるアードベッグの個性とは違ったからである。
こんな具合にブラインドテイスティングで行われるこの会は、何回参加しても新しい経験ができる面白い会である。

※ボトル名か写真をクリックするとテイスティングノートのページへジャンプ

1.アードベッグ TEN (オフィシャル) 46%

2.OMC アードベッグ 1975 24y 50%

3.スピリットオブスコットランド 12y 56.4%

4.マキロップチョイス 1991 11y 57.4%

5.SMWS(ソサエティ)33.48 8y 59.8%

         

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1]  オフィシャルボトル TEN 10年 46%    ***

(香り)まずアルコール臭が鼻につき、香りの開くのを妨げる。しかしすぐにアルコール臭は感じられなくなり、上品なフルーツ、 そしてはちみつのような甘い香りを感じるようになる。ボディはライトである。

(味)ピートを強く感じるが、アードベッグを印象づけるほどに強いものではない。そのあとフルーツの味もでてくる。
味は、香りほどライトではないが、それほど複雑な味でもない。

 

***[NO.2] ダグラスラング (オールドモルトカスク) 1975 24年 50%  ***

(香り)かつてこんな香りのモルトを味わったことがない。そんな印象をだれもが持たれると思う。 あえていえば、木の樹液の香りとでも言おうか、一種独特のものである。木をのこぎりできったときの匂いも。
その後まったりとした甘い香りと熟成香たってきて、かすかにシェリー樽の個性も感じられる。さらにラムの香りもわずかにある。

(味)味もやはり香りに負けず樹液を連想させるものである。さらにひねた味、にがい印象も。そのあと、やっとピートである。酸味も感じられる。

こんなモルトを出すのはいったいどこの蒸留所なんだろうか、そんなことを考えながら味わっていた。まだまだ、 未体験の香りと味をプレゼントしてくれる、モルトはほんとおくが深い。
自宅にも一本置いておきたい。そんな印象をもった特別なモルトであった。

 

***[NO.3]  GM スピリットオブスコットランド 1990 12年 56.4%  ***

(香り)トップノートは甘い香り、さらにチョコの香りが甘い印象を増長する。その後上品な熟成香が感じられるようになり、 長熟ものかなと思わせる。奥にはシェリー香も。

(味)酸味、ピート、フルーティーの三拍子である。

ここでブラインドテイストのおもしろさなのであるが、このモルト、 私はブローラと確信していた。上記の三拍子はブローラのものであるからだ。 しばらくすると、かすかにボウモアの個性である石鹸香も顔をだしてくる。そんな印象であるから、アードベッグとしてはバランスのとれた、 ある意味出来のよいモルトである。アードベッグのハードパンチとはちがう傾向の一本である。 さらによいモルトに出会う確率の低い(ごめんなさい)GMにしては、出色の出来である。

 

***  [NO.4] マキロップチョイス 1991 11年 57.4%  ***

(香り)まず、アルコール臭がつよく感じられ、そのあとグレープフルーツを感じるようになる。柑橘系の香りである。
さらに「いがっ」?っとした印象、ピート香からくるものであるうか。やや熟成もかんじられる。

(味)やはり、酸味、ピート、フルーティーである。フルーツは甘さよりも柑橘系のツンとした酸っぱい系のものである。

 

***[NO.5] SMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティー) 1993 8年 59.8%   ***

(香り)まずたってくるのは、なまぐさい香りである。海のなまぐささとはちょっとちがう種類のものである。その後、 明確なキャラメルをかんじられるようになる、さらにシェリー香も奥にあり、熟成したモルトを感じさせる。
あとでボトルをみておどろくことになるのだが、このモルトはたった8年の熟成なのである。

(味)このモルトも、酸味、ピート、フルーティーである、さらに、にがみ成分も感じられる。バランスのとれたあじわいではるが、 香りほどの熟成と複雑さはないところが残念である。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>アードベッグ&ポートエレン 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2003年06月07日(土)18時06分

先週の木曜日にスタンドバーへ行きました。
気になったので先回出たアードベッグのオフィシャルとOMCを飲み直しました。単独で飲めばやはりオフィシャルもしっかりスモーキーです。OMCはやっぱり樹液(^_^;)

それから、シグナトリのポートエレン23年カスクNo.違いを飲みました(No.5340、56.7%) オレンジのようなフルーツ香ときれいなピート香(ポートエレンというともう少しかびくさい印象があるのですが)、軽くビターな味わいでここ最近のベストでした!!