Connoisseures Club -- Jun. 2004 -- CRAGGANMORE
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「とっておきのスペイサイド」である。 スペイサイドのビッグネームながら、なぜか例会ではなかなかテーマとならなかった、 シックスクラシックモルトのクラガンモアである。
さて、本題の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] オフィシャル スペシャルエディション 14年 47.5% *** (香り)リフィルシェリーでじっくりと寝かされたと感じさせる非常に上品な香り。やや水あめの香りも。その後長熟を思わせるウッディーな香りに満たされる。 さらにベリー系のフルーツ香があり、さわやかさも兼ね備える。非常に深い香りながら、ドライに感じさせるところが意外である。 (味)フルーティーで、かすかな酸味がここちよい。上品なシェリー樽の個性がすばらしい。その後ナッティ、かつウッディーな印象へと変化してくる。ややピリピリ感がある。 味が濃く、カラメルを想像できてしまい、悪くいえばわざとらしい、作られた味といえなくもないが、ここは素直にだまされてみよう。
(香り) 軽く梨やりんごの香り、ごくわずか「いがいが」する、ピート香なのであろうか。しばらくするとフルーティーさがきわだってくる、さわやかで数種類のフルーツがあとからあとから顔をみせる。 しばらくすれば、ぶどう系の熟成香やエステル香がすばらしく、あまいバニラ香が香ってくる。できの良いバーボン樽熟成の印象。 (味)フルーティではあるがややドライ。ウッディーな樽香がすばらしい。 アイラものやハイランドモルトの一部に感じられる、ややひねた口に残るフィニッシュがある。 短時間では、印象が弱いが、じっくり向き合えばしっかり応えてくれるモルトといったところであろうか。
(香り)リンゴ系のフルーツ香とかるいピート香を感じ、いがいがとした印象。やや硬質な香り、若さと感ずるところもある。アルコール感も中程度感じる。 (味) 味もやや硬い。ピートも軽く感じられる。フルーティーと酸味がバランスし、特別な個性はないが、飲み飽きないタイプのモルトといえる。
***[NO.4] ブラッカダー 1989 12年 59.8% *** (香り)アイラモルトほど強くない、アクセントをつける程度のピート香が感じられる。 湿った香りや、なまぐささが香ってくる。もも系のフルーツ香、みずあめの香りも。軽くこげた香りを感ずる、シェリー樽熟成の個性。 (味)くちにふくむとやはりファーストフィルシェリー固有のこげたゴムのかおり。もうすこし香ばしさがほしいところだ。 アルコール感は強く、ぴりぴりとはじける。もうすこし熟成がほしい。 バランスを欠き、ある意味のみにくいと感じるが、優等生でないところが貴重ともいえようか。
***[NO.5] ケイデンヘッド シェリーバット 1989 14年 60.5% *** (香り)トップノートは上品な桃系のフルーツであるが、奥にはしめった、あるいはなまぐさい香りが感じられる。 軽くこげたゴム臭もかんじられるが、いやみを感じるほどのものではない。 (味) 香ばしい、あるいはこげた感じが強い。ファーストフィルのシェリー樽の個性である。
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★<タイトル>さよなら Steve 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2004年06月28日(月)9時13分 一昨年秋ごろから我々のモルト会に時々参加してくれた(多分7〜8回ぐらい)Steve がアメリカへ帰国することになり、昨夜は彼が参加する最後の会になりました。今度の仕事はロサンゼルスが拠点になるそうで、彼が住む部屋はとても狭いけど(日本人の基準で考えても狭そうでした)歩いていけるところに良いバーもあり、部屋から太平洋が眺められる快適な環境だそうです。 ぜひみんなでロサンゼルス(&ラスヴェガス!)に遊びに来てくれと言ってくれましたが、本当にそうなるといいですね。彼の200本を軽く越えるというモルトのコレクションを見てみたいと話しておきました(でもコレクションはシカゴだかの彼の実家(?)に置いてあるのかな?)。 ただでさえ貧弱なボキャブラリーがモルトの酔いでさらに言葉が出てこなくなり、なれない英語を話そうとするうちにまた酔いが回るという経験ができなくなるのは本当に寂しい。そして英会話がほとんど出来ない我々に、いつもにこにこしてつきあってくれた彼に感謝感謝です。
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