Connoisseures Club -- Oct. 2004 -- BLADNOCH
テイスティングノート 山崎 白秋 記 今月のお題は、「ブラッドノック」である。 ローランド、個性的かつ印象的なネーミングの蒸留所が多い地区であるが、一転してテイスティングしてみると、なにか物足りないもの感じるモルトが多い地区でもある。 そんなわけで例会でも、なかなかまとまって5本飲む機会がなかったのであるが、マスター英断??により実現したブラッドノック5本である。
さて、本題の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] キングスバリー 1980-1998 18年 46% *** (香り)上品でライト、特に個性はなく、スコッチモルトのスタンダードといえる。桃、梨のフルーツ香。フレッシュな酸味が心地よい。 香りはやさしいスペイサイドモルトといった印象。しだいにキャラメル香がかおり深みをかんじるが、反面麦芽風味の若さが顔を出してくる。 さらにバーボン樽由来のバニラ香が強く出てくる。 (味)香りとは一転して、ドライでありスペイサイドとはいえない。乾いたフルーツ香、ピリピリとしている。 しばらくすると、ボウモアとは異種ではあるが化粧品、あるいはパフューム香を感じる。 香りの数はそこそこあったのであるが、味の数は少なくものたりない。
(香り)まったりとして、重い印象。こげた香り。こげたゴムとまではいかないが、ファーストフィルのシェリー樽の個性か。 (味)やはりこげた印象が強い、苦味をともなう熟成感が感じられる。かなりドライでアルコール度数以上のぴりぴり感がある。
(香り)シャープな印象。軽いシェリー香、非常に上品である。サントリーのモルトによくあるエステリーな香りが強い。 (味)やはりエステリーである。奥にはあのミズナラ樽の伽羅香がかすかに感じられる。ここちよくウッディーに包まれる。ややピーティー。 ***[NO.4] シグナトリー サイレントスティル 1980-2000 19年 56.2% *** (香り)シャープな印象、そこそこの熟成。やや泥臭く、重く暗い。 アルコール感が強く、香り数を少なく感じさせる。トップノートが落ち着いたあとシェリー香が香ってくる。香りは濃いがカラメルを感じる。 (味)ドライ、単調な味。やはりカラメルを感じ、重さを感じる。 ***[NO.5] ケイデンヘッド 1980-1998 17年 57.2% *** (香り)香りがなかなかたってこない。グラスを廻ししばらくするとエステリーな香りがようやく感じられるようになる。有機溶剤系の軽い熟成感。ほどよく酸味を感じる。 (味) 味はドライでピリピリと辛い。苦み、渋みをかんじ、古い樽の印象、ただしそれほど強いものではない。
全般的に香りは個性もあり楽しめたが、味の複雑さがなく、テイスティングノートの言葉も少ないことでわかっていただけると思う。 |
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★<タイトル>24日のモルト会 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2004年10月27日(水)19時46分 まずは、ローランドのブラッドノックなんて売りにくいモルトを4本も一気買いしたStand Bar マスターに敬意を表したいと思います。 1.キングスバリー 18y 1980.10-1998.10 46% 1.は結構上品な香りで味わいも優しく、オフィシャルっぽいねなどと話していました。 2.はうってかわってシェリーの影響が強く、香りにも味にもゴムが出ていました。ちょっとあか抜けないなという印象。 3.はぐっとシャープになって、ぴりっと刺激的。ミントを感じるフィニッシュでバランスも良くこの日の一押し。 4.も 3.に似ているけど香りがこもり気味。生のタマネギを思わせる香りと味を感じて、ここでブラッドノックの名前が頭に浮かびました。 5.は最初、香りがほとんど立たず度数の高さを思わせました。前の二つと似ているけど、全体に固い印象。 実は私自身は自宅でケイデンヘッズの若いブラッドノックをテイスティングしたばかりだったので、自信があったというよりも他の名前が浮かんでこない状態でした。OMC以外はどれも野暮ったい感じで、なるほどローランドといったところでしょうか。 なお、この日は銀座のシェリー専門店「シェリークラブ」の中瀬さん(日本におけるシェリーの第一人者といっていい方ですよね?)が途中で顔を出されていろいろ興味深い話を伺えました。内容については後で少し文章にしてみることにします。 |
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