Connoisseures Club -- Feb. 2005 -- PULTENEY
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「プルトニー」である。われわれのメンバー間ではあまり話題にならない蒸留所である、それというのもかつて飲んだボトルたちはドライなところだけ目立ち、香りや味の数が少ない印象が強かったからである。 ところが先日のウイスキーミニライブin名古屋でテイスティングした、ダンカンテイラーのピアレスはそんな印象を覆すのに十分なすばらしいモルトであった。 そんなことでたいへんタイムリーな5本といえよう。 テイスティングを進めていくと、フルーティーかつドライなところが北ハイランド、バニラの香りが強くバーボン樽の個性があるところ、こんなところからクライヌリッシュ、プルトニーが頭のなかに思い浮かんだしだいである。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] スコッチモルトカスクコレクション 9年 1990-1999 65.8% *** (香り)フルーティ、かつ上品。軽い熟成香をともなう。ややドライではあるのだが、甘いバニラの香りの印象。時間とともにバニラ香は強くなってくる。 (味)味は独特であり、かつてテイスティングしたどのモルトとも違うものである。漢方薬のような香り、あるいはアニスの印象。薬草を思わせる味づくりである。 アルコール度数が65.8%もありながら、はなをつくきつさは一切感じなかった、また9年熟成ではあるが軽い熟成さえ感じられ、年数のわりに熟成感をかんじない、かつてのプルトニーの印象を払拭するのに十分なモルトである。
(香り) フルーティーかつ、上品な熟成を感ずる。バニラの香りが心地よい。甘い香りに酸味がほどよくバランスしている。軽いペパーミントの香りがある。 いろいろな個性がバランスよく香り、秀逸な香りである。 (味)ドライでシャープ。柑橘系のフルーツ、ぴりぴり感が強い。香りほど味の数は多くなく、やや単調。
(香り)まず香ってくるのは土の香りである。奥には熟成が感じられるが、土の香りに邪魔されている。「湿った」あるいは「重い」そんな印象。ヘビーでビッグボディ。酸味もほどよい。しだいに土臭さは消えて、熟成感を感じるようになる。 (味) アルコール感が強い。ほどよい酸味。ドライである。麦芽由来の甘味を感じる。 香りが個性的なだけに、味にも個性がほしいところである。
***[NO.4] SMWS 52.16 1983-2003 19年 58.2% *** (香り)トップノートは潮っぽい香り。その後ペパーミントの香りでフレッシュな印象。やや香り弱く、香りが開くまでに時間がかかる。酸味をほどよく感じる。 その後ヌカくさい香りがしてくる。さらにバニラ香も追加される。 非常に香りの数が多く、いつまでも香りを楽しんでいたいモルトである。 (味)やや焦げた香り。酸味と苦みのハーモニー。シェリー樽の個性か。
***[NO.5] ダンカンテイラー ピアレス 1977 26年 53.5% *** (香り)上品でフルーティー、ややドライであるところがスペイサイドモルトとはちがう印象である。 軽い熟成香が心地よい。ハッカ、ハーブの香り。ほのかに酸味も感じる。熟成傾向ではあるがフレッシュさが強い。 (味) ブドウ系のフルーティー。ぴりぴりとスパイシーである。 味の数が少なく、香りの複雑さからすると物足りない。 先日のウイスキーライブでのテイスティングではたいへん感銘をうけたモルトではあったが、今回それほどの好印象を受けなかったのが意外であり、テイスティングのおもしろさともいえよう。
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★<タイトル>意外や意外 ▼投稿者/ 惹樽(管理人) 2005年03月02日(水)15時58分 先月27日に行われたモルト会のテーマは「プルトニー」でした。出されたのが自分のボトルばかりだったので、私自身は早い段階からテーマは分かっていたのですが、驚いたことが二つ。 一つは最初に出されたスコッチモルト販売の9年もの。これだけが未開封だったので私自身も飲むのは初めてだったのですが、若さも65.8%という度数の高さも感じられませんでした(50%ぐらいだよねと話していたほど。熟成も12年以上だと思っていました)。 もうひとつは、名古屋で行われたミニライブでもテイスティングした、ダンカン・テイラー、ピアレスの26年もの。そのときは素晴らしいと感じたものが(もちろん悪くはないのですが)今回はそれほどには感じられないという結果に。同じものを飲んでも組み合わせや順番でかなり印象が変わるというのを実感しました。 このあたりのことは、バーで飲むときにはけっこう意識していましたが、同じラインナップで順番だけ変えてみるとか、一品だけ変えてみるとか、いろいろ試してみると面白そうですね。 |
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