Connoisseures Club -- May. 2005 -- BLAIR ATHOL
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「ブレアソール」である。一般的にはあまり馴染みがない蒸留所ではあるが、旧UDV時代の「花と動物」シリーズのボトリングはボディーも厚く、ウディーで秀逸なモルトであったと記憶している。 ボトラーズものも、あまりお目にかからないと思っていたが、今回またしても5本揃ってしまったのである。私の中では好印象の蒸留所ではあったのだが、今回あらためてそのレベルの高さを再認識した次第である。通常味わいに対し香りが勝ってしまうモルトが多いのだが、No.3のレアモルトは、味が特徴的かつ複雑な味わいでたいへん満足度の高いモルトであった。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] ケイデンヘッド 1989 10年 59.1% *** (香り)上品なフルーツ香、しかし奥に熟成を感じる。ハイランド系のややドライな香り。軽いピート香を感じる。 しばらくすると、軽くキャラメル香を感じるようになる。ややアルコール意識する。 (味) 硬質な味わい。ブドウ系のフルーツ。ドライではあるが甘さも感じる。
(香り) わめてすがすがしく、さわやかな香りである。ハイトーンかつ明るいフルーツ香。しばらくするとキャラメル香を感じる。 芝の上で青空をながめ、おいしい空気をたっぷり吸い込みたい。そんなスコットランドとは無縁の印象をもった香りである。 (味)さわやかな酸味が心地よい。甘味とのバランスが秀逸。フィニッシュではブナハーブンでよくかんじる、ひねた残り香を感じる。
(香り)上品なシェリー香を感じる。熟成香がたいへん心地よい、それほど重々しくない熟成香である。 しだいにまったりと厚いボデイーを思わせる香りとなってくるが、軽いエステル香とのバランスがたいへん良い。 さまざまなフルーツ香がたいへんすばらしい。 (味) ベリー系のフルーツ。ウッディな熟成感。香草の隠し味がたいへんすばらしく、かつ特徴的である。味の数も多く秀逸なモルトである。基本的にはドライである。 フィニッシュも良い意味でのしぶみが長く残り、たいへんすばらしい。
***[NO.4] シグナトリー 1975 28年 53.9% *** (香り)上質なくだもの香、ウッディな熟成香もすばらしい。ミディアムボディ。 その後、軽くキャラメルの香りと、ミントの香りを感じられるようになる。エステリーな熟成香も長熟であることを助長している。 すばらしく香りの数が多く香りだけで満足してしまうモルトである。 (味)基本的にはフルーティであるが、熟成由来のしぶみがすばらしい。軽くピートを感じ、ウッディな含み香とともにたいへん味わい深い。 ***[NO.5] ダグラスレイン エイガーダイク 1976 28年 52.4% *** (香り)まず色に驚かされる。赤い、あるいは紅いろである。だれもモルトとは思わないであろう。 さて香りであるが、そんな突拍子もない色とちがい、非常にエステリーでバーボン樽の個性を感じるが、奥にはしっかりとシェリー香を感じる。 たいへんエステリーで他の香りを抑えてしまっているが、熟成香がすばらしい。さらにバニラ香も感じられバーボン樽とシェリー樽??の個性との共存である。 (味) まず甘味を感じる。色に引きずられている感は無きにしもあらずだが、赤ワインの渋みを感じる。酸味と渋みのバランスがよい。
|
|||||||||
★<タイトル>ブレアソール! ▼投稿者/ 惹樽(管理人) 2005年05月22日(日)23時24分 今日のモルト会のテーマはブレアソール!よく5本揃ったものです。しかもオーク樽熟成とシェリー樽熟成、それぞれにレベルの高いバラエティ豊かなラインナップでした。 正直言って私もノーマークの蒸留所だったので、今日は嬉しい出逢いでした。全体には、ハイランドモルトらしい華やかな香り、しっかり甘味がのり、ボディは厚く、バランスが良いモルトという印象で、要チェックの蒸留所が一つ増えました。 ▼投稿者/ harazaki 投稿日/2005年05月23日(月)13時03分 みなさんが喜んでいただいたようなので、ボトルを提供した私にとってもうれしい限りです。 昨年、初めて口にした「花と動物のブレアアソール」が好印象だったので、約10ヶ月ほどでボトルを集めました。私自身もあまりブレアアソールを飲んだことがなく、モルト会に提供してハイランドパークのように散々な評価だったらどうしようかと思っていました。 昨日のボトルのスペックは次のとおり。 1 ケーデンヘッド 1989 10年 59.1% 5,460円(売り切れ) コストパフォーマンスが高いのはシグナトリー、マキロップチョイス。私の好みはUDかシグナトリー。ケーデンヘッドを除いてもう1本ずつ購入する予定。 全体として、華やいだ明るい香り、味は共通したものがあるのですが、うまく表現できません。シェリーカスクのボトルは、ゴム臭くなく非常に良いシェリー樽を使用している印象がありました。特にエイカーダイクは色と味のギャップがあり、非常におもしろい。 みなさんがあまり気にしていない蒸留所3ヶ所のボトルを鋭意集めておりますので、そのうちにモルト会に提供させていただきます。 |
|||||||||
|