Connoisseures Club -- Aug. 2005 -- LINKWOOD
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「リンクウッド」である。「熟成の若さを誤魔化すにはシェリーとピートだ」とよくささやかれてはいるが、まさにそれを体験できた会であった。 今回の5本、誤魔化すなどというとたいへん失礼にあたる出来栄えのモルトばかりで、前回の5本トータルで171年と較べても遜色なし、といえば嘘となるがかなりいい線をいっていた。 熟成年数が若いことを明かされテイストしていれば、焦げたゴムがきついね、とか単調だねという声がきかれたであろうが、そこかしこで「なかなかいいね」との評価がありあらためてリンクウッドの評価が高まった今回のテイスティングであった。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] シグナトリー リンクウッド 1989-2004 15年 58.2% *** (香り) トップノートは潮の香り、ややしけている。その後熟したリンゴの香りで満たされる。軽いピートを感じ、北ハイランド系の香り。その後リンゴ、ぶどうなど、いく種ものフルーツを感じられるようになる。さらにバニラやキャラメルも強く香る。 (味) リンゴ、ぶどうなどフルーツ味が心地よい。味もやはり軽いピートを感じる。深い含み香と軽い酸味のハーモニーで非常にバランスがよい。フィニッシュはミントで爽やかである。 シェリー樽熟成なのだが、バーボン樽の個性も感じられる不思議なモルトである。
(香り) 甘く濃いかおりで誘惑される。上品なシェリー香、ややこげた印象はあるがいやみでは無い。 その後明るく爽やかとなり、軽い熟成香を感じるようになる。 (味) 甘く濃いかおりで誘惑される。上品なシェリー香、ややこげた印象はあるがいやみでは無い。 その後明るく爽やかとなり、軽い熟成香を感じるようになる。
(香り) えぐみを感じさせる香り。奥に軽いピート。酸味も強い。りんごジャムのような濃く、甘い香り。 (味) こげたゴムの含み香が強い。 しかしエステリーであり、かつピートが軽く効いておりうんざりするほどのシェリーではない。 さらににがみや、しけたところから熟成を感じる。
***[NO.4] SMWS リンクウッド 39.22 1985-1998 13年 53.5% *** (香り) トップノートはエステリー。シェリー香を感じるが酸味もありよく出来たモルトである。軽くピートがシャープさを演出している。次第に甘い香りが強くなってくる。 (味) シャープでからい。アルコールも強く感じる。軽いピート。味はやや単調である。 ***[NO.5] レアモルト リンクウッド 1975 26年 56.1% *** (香り) 爽やかな青空を思わせるフレッシュなフルーツが、ほどよい熟成感と融合している。有機溶剤系の熟成香。洗練されている印象。ミディアムボディ。 (味) フルーティーではあるが、しぶみも感じられ、長期熟成と思われる。軽いピートがアクセントとなっているが、今回の5本のうちNO2以外はどれも軽いピートを感じる。
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★<タイトル>リンクウッド ▼投稿者/ 惹樽(管理人) 2005年09月02日(金)16時46分 先月のモルト会のお題はリンクウッド。なかなか名前が出てきませんでしたね〜。最初に出たシグナトリの15年がハイランド的なモルトだったので、この印象に引っ張られてしまいました。 名前の響きがロマンチックなリンクウッドは名前負けしている印象があったので、12年、13年が3本と若いものが多かった(いずれもソサエティでしたが)にもかかわらず、レベルが高かったのは意外でした。 そういえば私が初めて飲んだソサエティのモルトは、4番目に出た39.22だったんですよね。そのシャープさに鮮烈なインパクトがあったのを憶えていますが、そういう意味では私をモルトの深みに引きずり込んだ1本と言えます。6年後の今日まで未開封だったこれを惜しげなく提供していただいたKさんに感謝します。 |
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