Connoisseures Club -- Jan. 2006 -- IMPERIAL
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「インペリアル」である。新年早々からなんともレアな蒸留所であろうか。過去のテイスティングメモを見返してもGMの1979-1995とサマローリの1979-2000 45%をテイスティングしたのみである。 インペリアルはスペイサイドのど真ん中、緑に包まれたところに立地しているのだが、テイスティングをしてみれば、ヌカの香りあるいは潮の香りを感じることが多く、海に面した蒸留所を思い浮かべる。いかに環境条件等のスペックがあてにならないかを証明している事例ではないだろうか。 印象としてはピートを抜いたアードベッグといったところか。もちろんあまり評判がよくなかったころのアードベッグである。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] サマローリ インペリアル 1979-2000 21年 45% *** (香り) トップノートは上品でさわやか。かすかにミントが香る。砂糖水を感じさせる香りでややライト。 (味) 薄味、フルーティー。ややひねたフィニッシュ。ドライであり、味わいに物足りなさ感じる。
(香り) トップノートはたくあんの香り。古く、湿気た印象でずいぶん古い蒸留年かと感じる。 (味) 軽くフルーティー、かすかにピートが効いている。味の数は少なく、フィニッシュは短い。
(香り) トップノートはこげたゴムならぬ、燃えたゴムの臭い、よい印象ではない。 (味) 口に含むとまず酸味を感じる、その後それとバランスするようにまったりとした深みでつつまれる。 ***[NO.4] ダンカンテイラー ピアレスコレクション インペリアル オーク 1982-2004 52.8% *** (香り)香りのたちが遅い。しだいに上品かつエレガントな香りが広がる。さらにナッツやキャラメル系の熟成香に満たされる。
(味) ほどよい熟成感。酸味が心地よく甘さがあとを追っかける。ウッディーで香り、味ともによくできたモルトである。 ***[NO.5] シグナトリー インペリアル リフィルバット 1976-2005 28年 58.1% *** (香り) やや湿気た印象。しばらくすれば酸味が心地よく香る。さらに注意深くすれば花のような香りも感じ取れる。 (味) まず辛いとかんじる、ドライである。アルコール感が強く、口に含むとジンとする。
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