Connoisseures Club -- Feb. 2006 --

LONGMORN

 

2006年2月度 コニサーズクラブ
テーマ:ロングモーン
2006年2月26日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、「ロングモーン」である。ここのところ、モルトの会では評価の高いメジャーな蒸留所が、必ずしも芳しくない評価であることが続いた。 しかし今回は違った、一本目でそこそこの評価を得たあと、新しいグラスが出されるたびに、好印象のモルトでメンバーの多くが頬をほころばせる。

 麦芽風味、ややヌカくささ、さわやかな酸味、フルーツ、この個性クライネリッシュではないかと感じた。 そんなことで今回のテーマは、マスター会心のクライヌリッシュリベンジかと思ったのである。北ハイランドには違いなかろうと思ったのだが、またしても大きくはずしてしまった次第である。

 深みのあるウッディーな個性はたいへん秀逸で、メンバーの間ではロングモーンの評価を不動のものとしたのではないか。

 

★スコッチ文化研究所名古屋支部第30回例会

1.ウイスキーガロア 1987-2003 16年 52.1%

2.モダンマスターズ  1976 28年 52.0%

3.マキロップチョイス  1988-2003 58.1%

4.ブルームスバリー シェリー  1974-2000 26年 54.8%

5.ダンカンテイラー ピアレス 115/183 1978-2003 28年 58.1%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] ウイスキーガロア   ロングモーン  1987-2003  16年  52.1%   ***

(香り) トップノートでは軽くピートを感じる、ピートはヨード系のものではない。その後高貴な香りがほのかに香る。
  やや麦芽風味があるが、モルティと呼ぶほどではない。ドライではあるが酸味を感じ心地よい。  
  トーストしたパンの香り。ややヌカくさい印象もある。しばらくするとキャラメル香を感じることが出来る。

(味) 単調な味わいでブレンデッドではないかと感じる、ドライ。若さを感じる。砂糖水の風味。


***[NO.2] モダンマスターズ  ロングモーン  1976  28年  52.0%   ***

(香り) トップノートはイガイガした印象。すぐさまフレッシュな熟成香が広がる、酸味がほどよくバランスしたすばらしい香りだ。
  秋の青空のように澄んだエステル香。その後バニラや、樽由来のウッディーな香りに満たされる。

(味) 口に含めばすぐに熟成を感じ取ることが出来る。ここでも酸味が名脇役だ。
   フルーツの数も多く、梨、ブドウが何種類も感じられる。


***[NO.3] マキロップチョイス   ロングモーン   1988-2003  58.1%   ***

(香り) まずヌカをかんじてしまう、相反するがフレッシュさも強く感じられ、暗いイメージではない。
   酸味も良く効いておりエレガントさも感じられる。

(味) ブドウ系のフルーツが深々と感じられる。若さゆえにアルコール感も強くハードでドライ。
  しばらくすれば心地よい甘さが感じられるようになる。

***[NO.4] ブルームスバリー シェリー  1974-2000 26年 54.8%   ***

(香り)エステリーな熟成香がすばらしい。酸味や深い麦芽香できわめてビッグボディ。
  ややヌカくささはあるが熟成香に消されている。 しばらくすれば甘い香りに包まれ、質の良いリフィルシェリー樽熟成と感じる。
   バニラの香りもありバーボン樽の個性もある。

(味) すばらしくフルーティー、酸味もほどよい。まったりとしたブドウの個性が強い。ビッグボディでエステリーな熟成感がすばらしい。
   しだいにウッディーなあじわいに変わってくる、重厚で秀逸なモルトである。

***[NO.5]ダンカンテイラー ピアレス 115/183  1978-2003 28年  58.1%  ***

(香り) 第一印象はエステリー。酸味と麦芽風味がほどよくバランス。香りが立つまでに時間がかかるがしだいに木の香りに包まれる。

(味)フルーティーさが強く、香りに較べると熟成不足を感じてしまう。フルーツはブドウ系である。
   アルコールを感じてしまうところが熟成不足と思う要因かもしれない。