Connoisseures Club -- Jun. 2006 -- ROSEBANK
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「ローズバンク」である。 「ローズバンク」なんてすばらしいネーミングであろうか。そんな響きのよい名前とはうらはらに、モルト自体の出来はいまいちという印象があった。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] キングスバリー ローズバンク 1989-2004 15年 55.5% *** (香り) トップノートはドライと感じたが、フルーティーでもある。軽くいがいがとするがピート由来のものか? (味) まず感じるのはドライで辛く感じられることだ。やはりミントが鼻を抜けていく。かなりスパイシーである。
(香り) やや暗い印象。フルーティーかつ、まったりしている。軽くオゾンが香り、湿った感じが付きまとう。 (味) 焦げたゴムの味は明らかにシェリー樽熟成の個性である。ややピートも感じられる、シェリー樽熟成ではあるがドライ。やや重い印象。
(香り) まったりと湿気っぽいが、奥からフルーティーさが香ってくる。かすかにキャラメル香も感じられる。 (味) まずミントを感じる、スパイシーでドライである。かすかに麦芽風味があるが、若さを感ずるまでのものではない。 ***[NO.4] ディアジオ レアモルト ローズバンク 1981 20年 62.3% *** (香り) トップノートはひとことで「いい香り」である。きわめてフルーティーでほどよくエステリー、しかしまったりとしたボディーも感じる。
(味) フルーティーではあるがドライ。スパイシーと感じるのはアルコール度数によるものか。軽いピートがアクセントとなっている。 ***[NO.5]グレンカラ ローズバンク トリプル・ディスティレーション 14年 53.2% *** (香り) 濃い香り。こげた印象が強い。軽いミントを感じるがまったりとしている、明らかにシェリー樽熟成によるものであろう。
(味) すぐにシェリーとわかる個性、こげたカラメル。甘く湿気た味わい。ピートとあいまってひどく口に残るものがある。
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★<タイトル> 意外に美味しい(?)ローズバンク ▼投稿者/ 惹樽(管理人) 2006年 06月26日 17:54 昨夜(6/25)のコニサーズクラブのテーマは単一蒸留所としてとりあげられたのは初めてという「ローズバンク」でした。2番目に出てきたソサエティ25.36にピートを感じたので、まさかローランドとは思わず、今回もすっかりだまされてしまいました。ちなみにこのボトルには「バイアグラを抱いた野獣 "Big beast with Viagra"」という思わせぶりなコピーがつけられていて、ボトルリストには「擦ったマッチ、軽いスモーク、メープルシロップの危険な香り」というコメントもあるので、まんざら的外れでもなかったようです。 キングスバリー (京都の津之喜酒舗が樽を買い付けボトリングしたもの)は最初の甘い香りが印象的で一番ローズバンクらしく、やはり軽いピートを感じるプロヴナンスは思わぬ拾い物、レアモルトは上手にまとめていてさすがの出来、シェリー樽熟成のグレンカラはオーク樽ものの中に入れられて浮いてしまったといったところ。 タイトルで「意外」と書いたのは、我々コニサーズクラブのメンバー間ではローズバンクは「名前負け」の典型だというのが定説になっていたからで、今回で見直したという意見が多く聞かれました。
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