Connoisseures Club -- Jun. 2006 --

ROSEBANK

 

2006年6月度 コニサーズクラブ
テーマ:ローズバンク
2006年6月25日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、「ローズバンク」である。 「ローズバンク」なんてすばらしいネーミングであろうか。そんな響きのよい名前とはうらはらに、モルト自体の出来はいまいちという印象があった。
 今回、そんな印象を払拭するに十分なモルトが5本集まった。会のメンバーにおいてもローランドモルトに対するイメージが変わったのではないか。

 

スコッチ文化研究所名古屋支部第34回例会 6月25日(日) 17:00〜19:00

テーマ:
ローズバンク

1.キングスバリー 15年 89.04-04.10 55.5%

2.ソサエティ(SMWS) 14年 25.36 90.11-05.10 60.4%

3.マックギボン プロヴナンス 20年 1981-2001 62.3%

4.ディアジオ レアモルト 1981 20年 62.3%

5.グレンカラ トリプル・ディスティレーション 14年 53.2%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] キングスバリー ローズバンク    1989-2004   15年  55.5%   ***

(香り) トップノートはドライと感じたが、フルーティーでもある。軽くいがいがとするがピート由来のものか?
     さらにミントの香り。酸味もさわやかで、奥にはキャラメル香も感じられる。

(味) まず感じるのはドライで辛く感じられることだ。やはりミントが鼻を抜けていく。かなりスパイシーである。


***[NO.2] SMWS 25.36  ローズバンク 1990-2005  14年  60.4%   ***

(香り)  やや暗い印象。フルーティーかつ、まったりしている。軽くオゾンが香り、湿った感じが付きまとう。
     奥にピートを感じる、アイラモルトか? 熟成由来のキャラメル香。さらに時間が経てば甘い香りも広がってくる。

(味) 焦げたゴムの味は明らかにシェリー樽熟成の個性である。ややピートも感じられる、シェリー樽熟成ではあるがドライ。やや重い印象。


***[NO.3] マクギボン  プロブナンス ローズバンク 1981-2001  20年  62.3%   ***

(香り) まったりと湿気っぽいが、奥からフルーティーさが香ってくる。かすかにキャラメル香も感じられる。
     しばらくすると第一印象とは違い、エレガントな風が吹くように感じる。軽いピートがアクセントである。

(味)  まずミントを感じる、スパイシーでドライである。かすかに麦芽風味があるが、若さを感ずるまでのものではない。
    酸味もほどほどで飲み飽きないモルトである。

***[NO.4] ディアジオ レアモルト ローズバンク 1981  20年   62.3%   ***

(香り) トップノートはひとことで「いい香り」である。きわめてフルーティーでほどよくエステリー、しかしまったりとしたボディーも感じる。
    キャラメルも香り、さらにウッディーな熟成香がすばらしい。酸味とのバランスも良い。さらに軽いピートとミントを感じる。

(味) フルーティーではあるがドライ。スパイシーと感じるのはアルコール度数によるものか。軽いピートがアクセントとなっている。

***[NO.5]グレンカラ  ローズバンク トリプル・ディスティレーション 14年 53.2%   ***

(香り) 濃い香り。こげた印象が強い。軽いミントを感じるがまったりとしている、明らかにシェリー樽熟成によるものであろう。
     時間がたてばバニラの香りも感じられる。

(味)  すぐにシェリーとわかる個性、こげたカラメル。甘く湿気た味わい。ピートとあいまってひどく口に残るものがある。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル> 意外に美味しい(?)ローズバンク

▼投稿者/ 惹樽(管理人)  2006年 06月26日 17:54

昨夜(6/25)のコニサーズクラブのテーマは単一蒸留所としてとりあげられたのは初めてという「ローズバンク」でした。2番目に出てきたソサエティ25.36にピートを感じたので、まさかローランドとは思わず、今回もすっかりだまされてしまいました。ちなみにこのボトルには「バイアグラを抱いた野獣 "Big beast with Viagra"」という思わせぶりなコピーがつけられていて、ボトルリストには「擦ったマッチ、軽いスモーク、メープルシロップの危険な香り」というコメントもあるので、まんざら的外れでもなかったようです。

キングスバリー (京都の津之喜酒舗が樽を買い付けボトリングしたもの)は最初の甘い香りが印象的で一番ローズバンクらしく、やはり軽いピートを感じるプロヴナンスは思わぬ拾い物、レアモルトは上手にまとめていてさすがの出来、シェリー樽熟成のグレンカラはオーク樽ものの中に入れられて浮いてしまったといったところ。

タイトルで「意外」と書いたのは、我々コニサーズクラブのメンバー間ではローズバンクは「名前負け」の典型だというのが定説になっていたからで、今回で見直したという意見が多く聞かれました。