Connoisseures Club -- Jul. 2006 --

TALISKER

 

2006年7月度 コニサーズクラブ
テーマ:タリスカー
2006年7月23日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、「タリスカー」である。

通の間ではハードなモルトで通っているタリスカーではあるが今回も「が、しかし」である。 5本のノージングを終えての印象は、モルトごとにたいへん香りがバラエティで八方美人的と感じた。ハイランドパークやポートエレンのようにモルトのデパート的な印象であり、タリスカーとは思ってもみなかった。
 香りとは逆に味は、わりあい単調で甘さも感じるものであり、最後にオフィシャルボトルが提供されてはじめてタリスカーの名前が頭に浮かんだ次第である。

スコッチ文化研究所名古屋支部第35回例会 7月23日(日) 17:00〜19:00

テーマ:
タリスカー

1.ザ・ウイスキーフェア タリンバーグ 1992-2005 23年 49.5%

2.ダグラスレイン オールドモルトカスク トップノッチ タクティカル 21年 50%

3.タリスカー 25年 オフィシャル 2005 57.2%

4.シールダイグ アイルサクレイグ 1984-2005 21年 58.5%

5.ソサエティ(SMWS) 14.10 15年 89.3-04.5 59.4%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] ザ ウイスキーフェア タリンバーグ  1992-2005  23年  49.5%   ***

(香り) トップノートはフルーティーかつエステリー。しばらくすればエレガントな熟成香がひろがる。軽いピートあるいは、いがいがしたものを感じる。

(味) まず感じるのは甘さである、単調な味わいからアルコール感が強い。


***[NO.2] ダグラスレイン オールドモルトカスク トップノッチ タクティカル  21年  50%   ***

(香り)  くさみや、酸化した印象が強い。まったりとして、しっかりとしたボディである。しだいにエステリーな爽やかさが感じられるようになってくる。  さらに軽いピートも香る。軽く麦芽風味もあり熟成感は少ない。

(味) 味はドライである。軽くピートが効いており単調な味を引き締めている。


***[NO.3] オフィシャルボトル  タリスカー 2005  25年  57.2%   ***

(香り) 甘い香りが広がる、熟成感を伴うエステリーな香りがすばらしい。さらに酸味が効いており、ボディに厚みをくわえるまったり感とバランスしている。 さらに時間が経てばキャラメル香も出てきて、複雑な香りのすばらしいモルトと感じた。

(味)  フルーティーでのみ易い。軽くピートを効かせて引き締まった味わいとなっている。熟成感も申し分ない。

***[NO.4] シールダイグ アイルサクレイグ 1984-2005 cask no.769 21年 58.5%   ***

(香り) トップノートはフルーティーかつエステリー。深みもありビッグボディ、かすかに胡麻の香り。 軽いピートのアクセント、しだいにすばらしい熟成を感じるようになる。さらにバニラも感じられバラエティーなモルトである。

(味) ウッディーな熟成感と軽いピート。からくはあるが深いあじわいである。しかしよくあじわえば甘さもかんじられる不思議なモルトである。

***[NO.5] SMWS  14.10  15年 1989-2004  59.4%   ***

(香り) トップノートはピート。さらにたくあんを思わせるくさみをかんじる。しかし酸味がほどよく、奥にエステリー感もあり嫌味なモルトではけっしてない。

(味)  やはりピートとたくあんであり、さらに酸化したあじわいも感じる。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル> タリスカーは甘かった…

▼投稿者/ 惹樽(管理人)  2006年 07月24日 15:13

昨夜のコニサーズクラブ(モルト会)のテーマはタリスカーでした。

ディアジオのブランド戦略から、3番のオフィシャルボトル以外に「タリスカー」と表記されていません。

最初のタリンブルグはドイツのリンブルグ・ウイスキー・フェア向けにボトリングされたもの。甘いトップノート+軽いピート香で、ハイランドだと思い込んでしまいました。

ダグラスレインが「トップノッチ(最高級)」と銘打った2番は、ここのボトルには珍しく香りがこもっていましたが、ピートと甘さがバランスした味は気に入りました。

3番のオフィシャル25年はウッディ、ピート、甘さが香りに混じりあい、味わいもこれらがうまく絡み合った素晴らしいモルト。

4番、アイルサ・クレイグは上品なピート香とこってりした味わいで、これも上出来。

最後のソサエティ14.10は、最初にたくわんのような香りで若さを感じましたが、その奥には秘めた実力が感じられました。

ビッグネームのタリスカーは、最も個性的なモルトのひとつと言われますが、ブラインドテイスティングではすぐには分かりません。メンバーはオフィシャル10年が特別提供されても首を傾げるばかりで、最後にTが頭文字というヒントが出るまで名前が出てきませんでした。

実は私の持ち込みネタ(2番以外の4本、すべて未開封)だったのですが、気づくのにずいぶん時間がかかってしまいました。1番にハイランド的な華やかな香りをあったのと、共通して甘い味を感じたので、イメージが狂ってしまったようです。

本やらネットやらで調べても、タリスカーといえばたいていは「舌の上ではじける」なんて書いてあって、「甘い」とは書いてない。文字情報の影響力は強力なんだと改めて認識しました。