スコッチ文化研究所名古屋支部活動報告(2004年)   2005年分 2003年分

スコッチ文化研究所本部のホームページに掲載された活動報告と会報「スコッチ通信」の支部だよりの原稿です。

●スコッチ文化研究所名古屋支部第16回例会/2004年12月26日 Stand Bar

名古屋支部の第16回例会&テイスティング会は恒例によりブラインドテイスティングで行われました。

今月のお題は「ハイランドの閉鎖蒸留所」、しかも施設がすでに取り壊され復活の可能性がないところばかりです。

1.バンフ 24年 1976 53.7%(ブラッカダー)
2.グレンロッキー 23年 1979 56.1%(SMWS No.62.9)
3.ミルバーン 15年 1983 56.4%(SMWS No.87.5)
4.グレンアルビン 34年 1967 51.3%(キングスバリー・ケルティック)
5.グレンモール 21年 1981 62.5%(SMWS No.57.13)

調べてみると、ミルバーンだけが85年、残る4箇所は83年、ほぼ同時期に閉鎖されています。また、3〜5はどれもインバネスにあった蒸留所です。

バンフは良くできたハイランドモルトの典型と言っていいのでは?熟成感のある華やかなトップノート、優しい味わいのなかにかすかなピートを感じ、アフターも爽やか。買って初めて飲んだときに出来のよさに驚いたことを思い出しました。

ロッキーは香りの立ちが悪く、味もぴりぴりと刺激が強い。熟成年数のわりには落ち着いた印象がなく、なんだか不良中年みたい。

ミルバーンは最初に漬け物様のひね香を感じましたが、一瞬若いモルトかと思ったがどうも少し違うようにも思え、やがて香りにフルーツが出て麦わらも感じるようになりました。

アルビンの見た目は赤く、バーガンディーワインを連想させました。ラベルの表示はシェリーホグスヘッドだが、シェリーの影響はややゴムを感じる味以外にはありません。ぶどうの風味を感じたのでワイン樽熟成といわれても信じたことでしょう。ややこがした味わいで非常にドライ。とても個性的なモルトで皆の評価が分かれたけど、私は面白いと思いました。

グレンモールは1.のバンフを凝縮したような印象。ボディもしっかりしていて、これは上出来のモルトだと思います。ゴールデンカラーというか魅惑的なブラウンの色合いが魅力的ですが、味わいもその期待に恥じません。

ロッキー以外はそれぞれ個性もあり閉鎖されたのは惜しいと思えました。出来のよいものが集まったということもあるでしょうが、皮肉なことに参加者から出てきた意見も先月のビッグネーム、ハイランドパークと対照的でした。

 


●スコッチ文化研究所名古屋支部第15回例会/2004年11月28日 Stand Bar

名古屋支部の第15回例会&テイスティング会は恒例によりブラインドテイスティングで行われました。

今月のお題は今年2月に続いて2回目の登場となる「ハイランドパーク」でした。

1.キングスバリー ケルティック 22y 1981 52.9%
2.シグナトリー ヴィンテージ 24y 1977 56.8%
3.ダグラスレイン Old&Rare 28y 1974-2002 56.8%
4.モダンマスターズ 1982 57.1%
5.マッキンタイア 13y 1988 62.3%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0411.html

1.のキングスバリー・ケルティックはオフィシャルボトルかな?と思わせるような甘い香りが特徴で、ミントの香りと味もかすかに感じました。無難にまとまっているけど、いまいち個性が感じられません。

2.シグナトリーは最初に「たくわん」を思わせる香りがあり若いモルトと勘違いしてしまった1本。色もきわめて薄く後で24年しかもリフィル・シェリー樽と聞いてびっくり。そういわれてみれば味・香りともひねた感じにも思えましたが...

3.の Old&Rare はバニラの香りにかすかなミントが加わり、カラメルを思わせる味もまずまずで、これがメンバーの評価が一番評価が高かった。

4.モダンマスターズは香りがこもりなかなか開いてこなかったが、やはりミント、ハーブ系になっていきました。

5.マッキンタイアも香りは共通だけど、味にかなりの甘みがあり、フィニッシュは苦みに変化していきました(高い度数が影響している?)。

全体として、3.を除き色がとても薄く、香り・味にもこれといった特徴が感じられない結果になり、北の巨人「ハイランドパーク」の名前は出ず終いでした (正解が明かされる前にオフィシャル12年が出たけど、これをテイスティングしても、誰もさっぱり分かりませんでした)。

前回も出席者の評価が低かったのでリベンジを挑んだという Stand Bar マスターは、返り討ちにあったかっこうで、ぼやくことしきり。オフィシャルは必ずシェリーが使われている(バッティングしてある)ようですが、その理由が分かったような気がしました。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第14回例会/2004年10月24日 Stand Bar

名古屋支部の第14回例会&テイスティングは 恒例によりブラインドテイスティングで行われました。

今月のお題はなんとブラッドノック。まずは、ローランドのブラッドノックなんて売りにくいモルトを4本も一気買いしたStand Bar マスターに敬意を表したいと思います。

1.キングスバリー 18y 1980.10-1998.10 46%
2.チーフテンズ 18y 1983.11-2002.4 46%
3.ダグラスレイン OMC 22y 1977-2000 50%
4.シグナトリー Silent Stills 19y 1980.6-2000.1 56.2%
5.ケイデンヘッズ 17y 1980.6-1998.4 57.2%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0410.html

1.は結構上品な香りで味わいも優しく、オフィシャルっぽいねなどと話していました。

2.はうってかわってシェリーの影響が強く、香りにも味にもゴムが出ていました。ちょっとあか抜けないなという印象。

3.はぐっとシャープになって、ぴりっと刺激的。ミントを感じるフィニッシュでバランスも良くこの日の一押し。

4.も 3.に似ているけど香りがこもり気味。生のタマネギを思わせる香りと味を感じて、ここでブラッドノックの名前が頭に浮かびました。

5.は最初、香りがほとんど立たず度数の高さを思わせました。前の二つと似ているけど、全体に固い印象。

実は私自身は自宅でケイデンヘッズの若いブラッドノックをテイスティングしたばかりだったので、自信があったというよりも他の名前が浮かんでこない状態でした。OMC以外はどれも野暮ったい感じで、なるほどローランドといったところでしょうか。


 

●スコッチ文化研究所名古屋支部第13回例会/2004年9月19日 Stand Bar

名古屋支部の第13回例会&テイスティングは 恒例によりブラインドテイスティングで行われました。

今月のお題は、いや〜完璧にやられました、 なんと「東ハイランド」の5本。

1.マクダフ 21年 1977.10-1999.4 43% The Offcial Malt Association
2.ロッホサイド 1981 46.2% McIntyre(マーレイ・マクダヴィッド)
3.ノースポート 1975-2001 26年 55.1% シグナトリー
4.グレンギリー 1968 29年 56.8% オフィシャル
5.グレネスク 1970-2002 31年 56.9% ダグラスレイン Old&Rare

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0409.html

マクダフは甘いトップノートの後にモルティーが出てきて、味は甘さと 軽くビター。わずかにピート感があるのでハイランドのモルトだろうと感じた。

ロッホサイドの香りはこもりがちで、古い家のなかのような印象。 味はぴりぴりとスパイシーでややカラメルも感じた。時間が経過すると いわゆる「開いた」状態になり、香りに上品な甘さが出てきて、 ぐっと美味しくなった。

ノースポートも最初の香りは細く、ややフルーツが感じられるぐらい。 味は麦芽感が強くモルティー。甘みが強いがスパイシーもあり凝縮感が高い。

グレンギリーはまず真っ赤に近い色に驚く。こげくささ、シェリー、カラメル、 ピートが絡み合い、この蒸留所のシェリーものの典型と思われた (ラベルにはホグスヘッドの表記)。 味も渋みやスパイス、タバコ、カラメルと、はっきり言えばかなりくどい。

グレンエスクは出来の良いハイランドモルトのお手本のようなグッドバランスな もので、美味しいけれど特徴を上げるのが極めて難しいもの。

最初からハイランドだろうとは思ったけれど、さすがに東ハイランドとは 思いませんでした。地区で集めたと聞いて消去法で残り、 4.がグレンギリーだと分かりほぼ確信できましたが。 ギリー以外はほとんど飲む機会がない蒸留所なので、貴重な体験ができました。

全体としての印象は北ハイランドのそれに近いものがありましたが、 比べるとややクラシカルな感じを受けました。 それにしてもよくこれだけのレベルのものが集まったものです。脱帽!


●スコッチ文化研究所名古屋支部第12回例会/2004年8月22日 Stand Bar

名古屋支部の第12回例会&テイスティングのテーマは、「アイル・オブ・ジュラ」で 恒例によりブラインドテイスティングで行われましたが、今回も難問で蒸留所名を 当てることができた人はいませんでした。

1.ダグラスレイン Old & Rare 26年 1976-2002 54.2%
2.キングスバリー ハンドライティング 27年 56.3%
3.スコッチモルト販売 10年 1989-1999(500ml)58.7%
4.SMWS(ソサエティ)31.9 18年 60.1%
5.JURA WHISKY 1999 (オフィシャル)3年 60.7%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0408.html

今回のラインナップは実にバラエティに富んでいて、熟成年数は3年から27年と 実に9倍も差がありました。香り、味わいの方もバラバラで、同じ蒸留所では ないのではと思える内容でした。

Old & Rare は熟成年数にふさわしい甘い香りの上品なモルトで、味わいには ミントと苦みを感じました。

ハンドライティングは、共通した味わいは感じるものの、1.よりエステリーが強く、 最初は感じられなかったシェリー香が後で出てきたりしてより複雑。

スコッチモルト販売10年は、焼酎のような若さと麦の風味を感じる、 いわゆるモルティなもの。

ソサエティはすぐに分かるシェリー樽熟成もので、軽いゴム臭もあり、 年数の割に若さを感じることもあり、メンバーの評価がいまいちでした。

最後の3年は「カリラ」を思わせるピーティーなモルトで、蒸留所が実験的に 仕込んだものを販売したとのこと。若さをピートが上手くマスクしていて 悪くないけど、ジュラの個性はどこへ?という感じ。

例によって最後にヒントのオフィシャルボトル(10年)が出てきましたが、 ほとんど個性が感じられないものだったので、蒸留所名を当てたい人にとっては 混乱要因にしかならなかったようです。

ジュラというと、私の第一印象はオイリーでしたが今回の5本にはあまり感じられず、 レベルはかなり高いものの、蒸留所としての主張が見えないというのが 今回の印象でした。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第11回例会/2004年7月25日 Stand Bar

名古屋支部の第11回例会&テイスティングのテーマは、先月に続いて、まさか5本揃うとはという蒸留所「ストラスアイラ」で例によってテーマを明らかにしないでブラインドでテイスティングしました。

1.シグナトリー VINTAGE 1989 13年 43%
2.マーレイ・マクダヴィッド MISSION 1976 46%
3.ダンカンテイラー Peerless 1967 35年 51.2%
4.ケイデンヘッズ 1989 12年 54.9%
5.ゴードン&マクファイル Cask 1972 62.6%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0407.html

最初のシグナトリーは最初に感じた上品な香りがすぐに飛んでしまい、優しい味の次に苦みを感じたぐらいで、あまり特徴が感じられず。

MISSION は、1.の香りと味わいを強くした感じ、フルーツ系が感じられたので、この時点ではハイランドモルトかなと思いました。

ダンカンテイラーは、リフィルシェリー樽熟成と思われる上品なモルト。バランスがとれた味わいで、私を含むメンバーの評価はこれが一番でした(このボトルの持ち主、harazaki さんが、これが出てきた時点でテーマが分かって結構ヒントを出してくれたのですが、結局は最後まで分からず終いでした)。

ケイデンは最初にゴム臭を感じて、これは「シェリー樽熟成だ」とみんなの意見が一致したけれど、後からボトルを見ると「バーボンバレル」の表記。バーボン樽熟成でこんな香りと味(こちらもゴム)がするものは飲んだことがないのですが...

最後のG&Mは、強いアルコールの刺激に加え樹脂系の味わいも強烈で、非常に個性的なモルトでした。

誰からも正解が出なかったので、テーマが分からないままオフィシャルボトル12年が登場。シェリー系の、特徴が乏しいモルトで、よく言われるリンゴの香りも感じられず、とうとうギブアップ。

私自身は、ストラスアイラを飲んだ記憶がほとんどなく、今回出てきたボトルも初めて飲むものばかりだったので、「ふ〜ん」と言ったところでしたが、もう一人のボトル提供者、Kさんはかなりショックだったかも。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第10回例会/2004年6月27日 Stand Bar

名古屋支部の第10回例会&テイスティングのテーマは、「クラガンモア」で例によってテーマを明らかにしないでブラインドでテイスティングしました。

1.オフィシャル スペシャルエディション 14年 47.5%
2.ダグラスレイン OMC 1975 25年 50%
3.シグナトリー Vintage 1989 14年 57.3%
4.ブラッカダー 1989 12年 59.8%
5.ケイデンヘッド シェリーバット 1989 14年 60.5%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0406.html

実は、今回も私のボトルが混じっていたのですが、最後の最後までどこの蒸留所か分からずじまいで、久しぶりにすっかり騙されました。

スペシャルエディションは非常によくまとまった、そういう意味では オフィシャルらしい味わいで、出席者の評価はこれが一番でした。 OMCは今回の中では唯一の長熟もので、それらしく落ち着いたモルト。 最後のケーデンヘッドはシェリーが効いて、ちょっと傾向が違いましたが、 最初の2本とシグナトリー、ブラッカダーは、どれもリンゴ系のフルーティー な香りと酸味を感じて同じ蒸留所であることは分かったものの、スペイサイド というよりもハイランド的な個性を感じてさっぱり正解が出てきません。

最後に番外としてオフィシャル12年が出てきたのですが、出席者は (私も含め)ますます混乱するばかり。沢山ヒントをもらってようやく クラガンモアの名前が出てきたものの、まさに「へぇ〜」の連発でした。

私自身は、シャープでドライな印象を持っていたオフィシャル12年が あまりにも「もっさり」したものだったので、これが一番の大ショック。

というわけで、今回は出題者(Stand Bar マスター)の完勝となったのでした。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第9回例会/2004年5月23日 Stand Bar

名古屋支部の第9回例会&テイスティングのテーマは、「アイラとシェリーの出逢い」 "Islay malts meet sherry" で例によってテーマを明らかにしないでブラインドでテイスティングしました。

1.アードベッグ Spirit of Scotland G&M 1993 10年 56.2%
2.ラガンミル(ラガヴリン) クーパーズチョイス 1993 10年 57.4%
3.サウンド・オブ・アイラ(カリラ) 13年 54%
4.ラフロイグ シグナトリー Straight from the Cask 1988 15年 55.6%
5.ポートエレン ダグラスレイン トップノッチ 1982 20年 54.9%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0405.html

またこのテーマはかなり以前から暖めてあったもので、タイトルもずっと前から考えてありました。

Stand Bar マスターは5本を出す順番をずいぶん悩んだようですが、私がその場の思いつきで冗談のように言った「色の薄い順番」というのが正解だったかもしれません。そうすれば、ただ1本のシェリーフィニッシュもの(ラガヴリン)からもシェリー香を感じることができたかもしれないと思うからです。

熟成が若い順に出した結果、最初に出てきたアードベッグ(ジャパンインポートシステム=G&M)がピート、シェリー共に強めでパンチの効いた上質のものだったので、とくにラガヴリン(ボトル表記はラガンミル)やラフロイグはハンディを背負う結果になったのではないでしょうか?サウンドオブアイラ(カリラ)やポートエレンは個性が強いのであまり影響を受けなかったようですが。

参加者の評価はアードベッグに人気が集まる結果になりました。アイラモルトをシェリー樽で寝かせるというのは、最初からシングルモルト(カスク)で販売することを狙った戦略だと思われますが、こうしたモルトを好む人とそうでない人がはっきり分れる傾向がみられました。以前にUDVがダブルマチュアドでラガヴリンやタリスカーを出したとき、これを飲んだ私が「あざとい」と表現したことを思い出しました。抵抗感はこんなところにあるのかもしれません。

それにしても、トップノッチのポートエレンを久しぶりに飲みましたが、その真っ赤な色といい、ピートを効かせたブランデー(?)のような味わいといい、最初に感じた「変なモルト」という印象を再確認したかたちになりました。そしてこれに限らずこのタイプのモルトは飲み手とTPOを選ぶというのが全体的な印象でした。


●スコッチ通信 04年6月15日号 支部だより

2004年2月から5月の支部活動についてお知らせします。

●2月例会&テイスティング会(2.22) オーク樽熟成のハイランドパーク5本をテイスティング。

●3月例会&テイスティング会(3.28) シェリー樽熟成のオフィシャルボトルで有名な蒸留所 (グレンドロナック、グレンファークラス、マッカラン、 ダルモア、アベラワー)のモルトをテイスティング。 セカンドフィルのシェリー樽熟成と思われるダルモア以外は すべてオーク樽熟成。

●4月例会&テイスティング会(4.25) ロイヤル・ブラックラ5本をテイスティング。

テイスティングは恒例により、ブラインドで行われました。 15本のボトルはすべてボトラーズのシングルカスクものです。 3回続けて非常にマニアックなテーマとなりましたので、 参加者は「何だろう?」と首をかしげっぱなしでした。 特に3月はすべて違う蒸留所なのにあまりにも酒質が 似通っていたので全員が大いに驚きました。

5月2日には、メンバー2人が浜松支部の月例会に参加し 交流してきました。歓待していただいた浜松支部の皆さんに お礼を申し上げます(本当は5月9日の2周年に参加できると よかったのですが都合でこの日になりました)。 さらに、5月4日には、メンバー選りすぐりの18種類の モルトを持ち寄って「裏モルト会」を開催。 これらのテイスティングノートは、ホームページに詳しく 紹介してありますので、ぜひご覧下さい。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第8回例会/2004年4月25日 Stand Bar

名古屋支部の第8回例会&テイスティングのテーマは、かなりマニアックなところで ハイランドの隠れた銘酒「ロイヤル・ブラックラ」でした。

1.ダグラスレイン OMC 1979 22年 50.0%
2.シグナトリー 1975 24年 58.1%
3.ソサエティ 55.12 1976 25年 58.9%
4.キングスバリー 1979 18年 62.3%
5.ザ・スコッチ・シングルモルト・サークル 1979 23年 62.8%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0404.html

今回も自分のボトルが3本入っていたので、ある程度期待できることは分かっていましたが、 思っていた以上にレベルが高く満足できる内容になりました。

最初のダグラスレインはハイランドらしい華やかさを、OMCシリーズに共通して感じられる 優しさで包み込んだという印象。2本目のシグナトリーは非常にバランスの良いシェリー樽 熟成もので、出席者の評価もNo.1でした(でも値段は一番安い!)。3本目のソサエティも 同じくシェリー樽熟成のものでこれも上々の出来だと思いますが、シグナトリーと比べると ちょっとゴムが感じられる点がマイナス。

4本目のキングスバリーもこの中では安価な方ですがオーク樽で理想的に熟成された、 なかなかの拾い物で、出席者の評価も上々でした。5本目のドイツ物はかなりアルコールの 刺激が強く、このラインナップの中では一番硬質に感じました。

全体的には、華やかな香りとしっかりしたボディがうまくバランスしており、皆さんの ブラックラに対する評価を大きく変えることになった(初めて飲んだ方もいらっしゃいましたが) ようです。また、やっぱり同じ蒸留所を集めると盛り上がるという、Stand Bar マスターの話を 再確認した形にもなりました。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第7回例会/2004年3月28日 Stand Bar

名古屋支部の第7回例会&テイスティングのテーマは、オフィシャルがシェリー樽熟成で出されていることで有名な蒸留所の、オーク樽熟成のボトラーズボトル(カスクストレングス)という大変ひねったものでしたが、考えていた以上の盛り上がりとなりました。

1.グレンドロナック 1974 26年 50.0% ブラッカダー
2.グランファークラス 1980 19年 57.0% ケイデンヘッズ
3.マッカラン 1980 22年 57.0% ミルロイ
4.ダルモア 1989 12年 59.9% ソサエティ13.30
5.アベラワー 1987 15年 62.1% ケイデンヘッズ

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0403.html

実は、マッカランは昨年8月に、ダルモアは昨年4月に登場しているのですが、やはり分からないものですね。特にダルモアの印象が全然違うので驚きました。以前は非常にフルーティーに感じたのに、今回は他のボトルのフルーティーに埋もれてしまったようで、やはり組み合わせで味わいが違ってくるということなのでしょう。

ここまで書いてから大変なことに気づきました。ダルモアは前回の印象でオーク樽だと思いこんでいたのですが、皆さんのシェリー樽だろうという意見が出ていましたので調べてみたところ、瓶詰め本数からみてやはりシェリー樽のようでした。セカンドかサードフィルでしょうが、これもやはりオーク樽のボトルと比較したために、かすかなシェリーの個性を感じ取ることができたということではないでしょうか。

そのダルモアを除くといずれもフルーティーで甘い印象が非常に似通っており、特に、グレンファークラスとマッカランはほとんど同じに思えてしまいました。シェリー樽の影響を除いたら両者が同じになってしまったというのは、とても興味深い結果です。しかし明確な個性は感じられないのものの、それぞれのボトルのレベルは高く、比較的若いアベラワーも高評価を得ていました。

そして、それぞれのオフィシャルが出てきたところで、さらに盛り上がりました。グレンドロナックは懐かしい12年ものが特別に提供されましたが、オフィシャルの方も、それぞれの差違が本当に分からなかった... 私も今回のテーマがこれだと分からず、途中まで一つの蒸留所だとばかり思っていました。シェリー樽熟成を「売り」にしている蒸留所の造り方は結果として似てくる、そしてオーク樽で寝かせても美味しいモルトじゃないとシェリーの個性に負けてしまうのだろうというのが結論でしょうか?


●スコッチ文化研究所名古屋支部第6回例会/2004年2月22日 Stand Bar

名古屋支部の第6回例会&テイスティングのテーマは「ハイランドパーク」で、オーク樽熟成の5本を例によってテーマを明らかにしないでブラインドでテイスティングしました。

1.キングスバリー(ハンドライティング) 26年 51.5%
2.マキロップチョイス 24年 53.0%
3.
ムーンインポート(アニマル) 26年 53.2%
4.
ブラッカダー(ロウカスク) 20年 57.6%
5.
ソサエティ 4.70 10年 58.9%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0402.html

ハイランドパークが出てくる可能性が高いことを知っていた私でさえ途中まで何かが分からず、回答の前に12年オフィシャルボトルが出てきても参加メンバーが混乱するばかりという波乱の会になりました。 やはりオーク樽熟成で揃えたことが原因のようで、ハイランドパークの個性にシェリー樽からの影響が果たす役割が大きいということなのでしょう(グレンモーレンジを5本揃えるのは難しいので、クライヌリッシュではないかという意見が出ていました)。

最初に出てきたキングスバリー・ハンドライティングはピークをちょっと過ぎてしまった感がしなくもない、優しくフローラルなもので、これに惑わされてしまいました。2本目のマキロップチョイスは熟成感も高く大健闘、3本目のアニマルは自分のボトルでちょっとプラスティックを思わせる癖を覚えていたので、私もここでようやくハイランドパークかなと思え出しました。

ブラッカダー・ロウカスクは年数のわりにはモルティで、最後のソサエティ10年(「行き先は決まっている・・・」という思わせぶりなコメントがついていたボトル)が若さのわりに出来がいいので、よけいそれが際だってしまった感じでした。 ブラインドテイスティングの面白さで、最初からハイランドパークというビッグネームが分かっていたら決して聞かれなかったと思われる参加者の辛口コメントが聞け、興味津々でした。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第5回例会/2004年1月25日 Stand Bar

名古屋支部の第5回例会&テイスティング会は横浜支部、浜松支部よりそれぞれ2名の方をお迎えしての開催となりました。遠いところをおいでいただき本当にありがとうございました。今回のテーマは「山崎&白州」で、5本のモルトを例によってテーマを明らかにしないでブラインドでテイスティングしました。

1.山崎蒸留所80周年記念ウイスキー 43%
2.ソサエティ 119.9(山崎) 18年 Hogshead 48.0%
3.
ソサエティ 120.3(白州) 14年 Bourbon Barrel(Smoky) 56.4%
4.ソサエティ 120.1
(白州) 21年 Japanese Oak Butt 60.7%
5.ソサエティ 119.8
(山崎) 11年 Spanish Oak 62.5%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0401.html

1.はサントリーが山崎蒸留所が稼働して80周年になるのを記念してボトリングしたもので、パンチョン樽の15年もののモルトを厳選し、ミズナラ樽原酒の古酒(40年もの ビンテージ1960年)をバッティングしたとのこと。シングルカスクとは異なる美味しさを味わあせてくれる傑作だと思います。

その他はソサエティのボトリングで、1週間前に開かれた試飲会に出されたものもあり、そこに出席したメンバーは今回のテーマがすぐに分かったようです。やはりミズナラ樽の個性(伽羅の香り)で 4.の人気が高かったようですが、アイラを思わせるピートと独特の甘さがうまくバランスした 3. もなかなかのものでした。

4人のお客様は慣れないブラインドテイスティングということで最初はちょっと緊張気味でしたが、両支部の掲示板を拝見すると結構楽しんでいただけたようなので一安心しました。このあとの2次会では今後も交流を深めようということで大いに盛り上がり、新年のスタートを飾るにふさわしい会となりました。