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<プチモルトの会テイスティングノート> 03.08.13 山崎白秋

2003.8.10 Stand Bar にて

今回もオフィシャルスタンダードのお題で、ブラインドテイストしたのであるがたいへんおもしろかった。こんなはずでは、そんな思いであった。

***[NO.1]   オーバン   オフィシャル     14年    ***

(香り) まず甘さを感じる。その後軽い熟成を感じるが、しばしば奥に草の香りを感じる。ドライな印象だが、熟成からくるセメダイン香もある。

(味) ミディアムボディ。味もドライであり、からい。ハイランドあるいはピートのきいていないアイラの個性であろうか。ごく軽くシェリーの印象も。

これをオーバンとは思わなかった。(ダルモアと思った)ピートをいっさい感じなかったからである。しばらく飲んでいなかったとはいえ、ずいぶん印象がちがうものである。あるいは味が変わったのか。

***[NO.2] グレンモーレンジ  オフィシャル     10年    ***

(香り) トップノートは甘いバニラ、軽い熟成をかんじる。しばらくすると、熟成からくるナッツ、セメダイン香を感じる。バーボン樽の個性か。

(味) 軽くフルーツを感じるが、トータルでの印象はドライである。バランスがよくなかなかできのよいモルトである。

ドライかつ、セメダイン系の熟成、フルーティーなところから、クライネリッシュと思った。スタンダードのグレンモーレンジを再評価した一杯であった。

***[NO.3]  グレンフィディック オフィシャル スペシャルリザーブ   ***

(香り) 甘く、かつ草の香り、あるいはモルティー。軽くピートを感じる、しだいに紙くさく若さを感じる。

(味) わずかにからい、ドライ。味がのっていない印象。加水しても変わらない。

最近ティスティングしたグレンフィディック オフィシャルはもっと熟成かつ深い味わいであった、 おなじ場所、おなじボトルであるから、変わったのは、モルトの取り合わせと、自分のコンデション。こんなに変わるものか。

***  [NO.4]    グレンリベット    オフィシャル    12年   ***

(香り) NO.3とよく似ていて、甘く、かつ草のかおりがするが、多少フルーティーである。モルティーかつかすかに紙くさい。軽くピートを感じる。

(味) フルーティー、ややドライ。加水すると、リベット独特のフルーツジュースとなる。

今回正解したのは、この一本のみであった。オフィシャルのブラインドテイスティングは意外と難しいものである。

***[NO.5] スプリングバンク オフィシャル ポートウッド 13年 54.2%  ***

(香り) 香りを嗅ごうとすると、すぐにエステル系の熟成香が飛び込んでくる、20年以上の熟成をかんじる。軽いピート香、オーク樽の個性も。

(味) 軽くピート、あるいは、いがいがした味。ボディはビッグである。香ばしく、トースティ。かるく焦げたゴム臭もあるがくどくない。   

従来のスプリングバンク、12年、21年、25年に共通のシェリー樽を基本にしたスタイルは終わりをむかえているのであろうか、良くも悪くもスプリングバンク個性がなく、新しいスタイルを模索しているようである。

***[NO.6] クーリー SMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティー) 117.2 13年 48.3%  ***

(香り) バニラの香り、ただし甘くはなくドライである。木の香りがすばらしい。ナッツの香りも感じる。

(味) ドライかつ、フルーティー、香りほどの熟成はないが、飽きない味といえる。  

***[NO.7] LAMMERLOW(ニュージーランドモルト) ケイデンヘッド 10年 50.5%  ***

(香り) 熟成は早そうである、シーグラムの御殿場蒸留所の蒸留酒によくある、セメダインの個性 である。

(味)  軽くピートを感じる、その後甘さがひろがってくる。単調な個性。

***[NO.8] 三州  レインボー  オフィシャル   12年 40 %  ***

(香り) フルーティー、軽いエステル香、奥にピート香、紙くさく、草の個性も感じる。

(味) フルーティー、中程度の甘さ。意外なことに軽くボウモアの個性を感じることとなる。


コニサーズクラブ BBS ▼投稿者/ 惹樽(管理人) 投稿日/2003年08月12日(火)10時15分

10日は、MUNE さんがみえる前に少し時間があったので、山崎白秋さんと私の二人でオフィシャルのブラインドテイスティングをしました。

グレンモーレンジ、オーバン、グレンフィディック、グレンリベットの4杯でしたが、やっぱりオーバンがぱっとしないという結果に...

この話を聞いた MUNE さんも、モーレンジ、オーバンをブラインドテイスティングしたのですが、やはり「これがオーバン?」とびっくり。比較対象のモーレンジ10年がけっこういけるという結果になりました。

Stand Bar マスターも同じ感想で、やっぱり味が落ちているのではないかという話になってしまいました。

どこかで昔のオーバンが飲めませんかね〜