<SMWSが宮城峡蒸留所を認定> malt blog より (04.6.27up)

▼タイトル/ SMWSが宮城峡蒸留所を認定 投稿者/ dupe(惹樽) 投稿日/2004-06-26 16:08

04年6月15日に英国スコットランドのエジンバラに本部を置くザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS)が、ニッカウヰスキーの仙台工場宮城峡蒸溜所のモルトウイスキーを認定したという発表がありました。

SMWSは1983年に設立されたウイスキー愛好家の会員制組織で、会員数は欧米を中心に3万人を超え、昨年は日本支部も10周年を迎えました(私も日本支部の会員です)。SMWS本部では、数名のパネラーにより各地の蒸溜所から取り寄せられたシングルカスクのモルトウイスキーのテイスティングが随時行われます。そしてそこで高品質と認めたものだけが樽ごと蒸溜所から買い付けられ、会員向けにボトリング・販売されます。

これまでに、SMWSによりボトリングされた蒸留所は121を数えますが、スコットランド以外の蒸留所は6箇所となっています。しかし、2002年に今回と同じくニッカの余市蒸留所が認定されるまでは、アイリッシュウイスキー(北アイルランド)のブッシュミルズ(No.51)のみでした。余市以降にが認定された蒸留所は下記となっています。

No.116 余市(ニッカ、北海道)02年
No.117 クーリー(アイルランド)03年
No.118 カネマラ(アイルランド)03年
No.119 山崎(サントリー、大阪)03年
No.120 白州(サントリー、山梨)03年
No.121 アイル・オブ・アラン(スコットランド、アラン島)04年
No.12? 宮城峡(ニッカ、宮城)04年

ブッシュミルズは北アイルランドなので、英国以外の蒸留所は余市が初めてだったことになります。SMWSは「スコッチ・ウイスキー」をうたっていますが、No.116以降はアランを除いて、ジャパニーズ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキーが続いています(ただし先日グレンモーレンジとSMWSの提携が発表されましたので近く認定されるものと予想されます)。

良いものであれば「スコッチ」にはこだわらないというSMWSの姿勢が我々モルト愛好家の楽しみを広げてくれました。というのはこれまで日本のウイスキーがナチュラルシングルカスク(一つの樽だけから取り出し加水や冷却濾過を行わない)で飲める機会がほとんどなかったのですが、日本の各社もインターネット限定販売などのかたちでリリースするようになったのです。

こだわらないという意味では、これまでにもラムやアップルブランデー等もSMWSがボトリングしています。また、次はメルシャンの軽井沢かなとか、キリンの富士御殿場もあるかな、ニッカが70周年なのでひさしぶりに余市が出そうだな、ニュージーランドにも蒸留所があったな等と想像するのも楽しく、昨年サントリーの山崎蒸留所であったような記念イベントが行われるだろうから、参加したいななどと考えています。