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SMWS試飲会 テイスティングノート

   2003.6.29 BAR BARNSにて

山崎白秋記  

 

 ★★★ [NO.1] 11.26   トマーチン   13年   61.9%  ★★★

 

【香り】まずピートを感じさせるビーフジャーキーの香りがしてくる、その後大麦由来のモルティーな香りがひろがり、暫らくするとかなり明確なピート香が感じられる。


【味】味はやはりモルティーな若さを感じる、シャープでドライなモルトである。


 

 ★★★ [NO.2]  61.14   ブローラ    25年    54.0%  ★★★


【香り】ほどよいエステル系の熟成香がかんじられるが、25年を意識するほどの熟成ではない。軽くピーティーであり、ブローラ以外ではなかなかみられない個性であろう。

【味】味は中程度ピートで酸味とのバランスがよく、ドライで熟成ものでありながら、「どうだ熟成してるだろ」って主張してくるような押しがなく「敵を作らないモルト」そんなかんじである。

 


 ★★★ [NO.3]  12.7   ベンリアック 17年    62.3%  ★★★

【香り】すぐさまいい香りとかんじることができるであろう、言葉にし難いが軽いエステル系のさわやかな熟成香である。何杯でもいける熟成モルトとでも言おうか。

【味】酸味のある麦芽ジュースとでも言うか、香りとはうってかわってさわやかな印象はない。熟成も香りほど感じられない。
 

 ★★★ [NO.4]  29.27   ラフロイグ   11年     56.5% ★★★

【香り】みなさんお待ちかねのラフロイグである。トップノートはフルーツや酸味をかんじつつ、シャープなピートを感じさせる。ラフロイグの個性を十分に感じることができる。ピート香、ヨード香、ビーフジャーキー香は非常に強い。 熟成香もほどよく感じることができる。ファーストフィルのオーク樽であろうか、日本的なヒノキの香りの印象もある。

【味】味の方もヒノキを感じさせる、キリッとしてシャープな印象である。樽の香りが心地よい、バーボン新樽なのかもしれない。もちろんピートの強さはみなさんの期待をうらぎらないものである。

 ★★★ [NO.]    45.10   ダラスデュー  27年    49.9%    ★★★

【香り】長熟を感じさせる有機溶剤の香りがすばらしい。バーボン樽の香りであろうか。樽の香りがGOODである。 インバネスの3蒸留所はサイレントであるが、なにか共通の古い樽香を感じるのである。

【味】味の方も、香りと同じように古く、いい意味でかび臭く、個性的である。ただし味は香りほど熟成を感じないところが残念である。

 閉鎖蒸留所ではあるが、まだまだ上質の樽はねむっている、そんな期待を持たせるモルトである。

 ★★★ [NO.]    49.14    リンリスゴー  27年     49.3%   ★★★

【香り】 生臭い香りで満たされる、その後熟成香がしっかりたってくる、しばらくして甘い香りがしてくるころには熟成香はやや減退する。トマトの香りも奥に感じられる。

【味】意外にライトである、熟成香も年数ほど感じられない。度数が50%を割っているのにアルコール感が強い。全体的にドライな印象だ。

 ★★★ [NO.]    60.25  アバフェルディ 27年     55.2%   ★★★

【香り】 樽の香りがBESTといえる、幸せを感じる香りである。くつろぎの空間でずっとこの香りで満たされていたい、そんな思いである。 ファーストフィルのバーボン樽の個性であろうか。熟成も27年の表記を裏切らないものである。

【味】 シャープな印象、舌の上で樽香がひろがり、しぶく、熟成を十分以上に感じる。熟成からくるキャラメルも感じられる。

 ★★★ [NO.]    1.100   グレンファークラス 36年   47.0%   ★★★

【香り】 なにも言うことがない。なんていったら始まらない、ひとことでいえば横綱相撲である。熟成香はBEST、ずっとこのままでいたい。熟成したシェリー樽の典型といえる。ただしこげたゴムは感じられない。

【味】 熟成からくるエステルの香りが口の中にひろがり、うまいのひとことである。ひとつだけ難点をみつけるとすれば、ややこげたゴムを感じるところである。 フィニシュはいつまでも甘く、ほろ苦くつづく。

 ★★★ [NO.]    9.28    グレングラント   31年     57.4%   ★★★

【香り】 熟成大。こげたゴムと、まったりしたエステル香があたり一面を覆い尽くす。長熟シェリー樽の典型といえる。さらに、樽は古く、しめった感じとカビの印象。 グレングラント30年オーバーの典型的スタイルといえる、いつも、裏切られることはない。

【味】 こげたゴムはかなりきついが、熟成のメリットがそれを上回る。何杯もというわけにはいかないが、じっくりとワーグナーなどを聞きながら一杯といったところか。まちがっても、モーツァルトとはあわないであろう。

 ★★★ [NO.10]   115.3    アンノック    8年     57.0%   ★★★

【香り】 最初は、きついアルコールを感じるが、すぐさま、かなりの熟成香を感じることとなる。これが8年なのである、オフィシャルは21年の樽だしでも、きついアルコールと若さを感じ、ドライで単調でさえある。

【味】アルコール感は大であり、かなりきつい。ドライな印象で、香りほどの熟成をかんじないところが残念である。