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SMWS試飲会 テイスティングノート

   2006.4.9 BAR BARNSにて

惹樽 記  

出品ボトル一覧

 

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code
age
alc
distillery
comment (ソサエティ)
29y
56.1%
New 極めて魅力的
7y
55.7%
New 紛れもなく男性的
16y
50.1%
New スミレとバニラファッジ
19y
54.0%
New 花の絵画
18y
56.3%
New 酒飲みのためのウイスキー
16y
55.1%
New ケーキの詰め合わせ…
14y
60.4%
New バイアグラを抱えた野獣
16y
54.9%
New 甘い革命
27y
45.8%
New フルーティーな爆発
20y
60.6%
New 感覚の抒情詩
21y
53.7%
New 味わいを目覚めさせる
15y
57.1%
New 太陽のまだらな陰影
25y
47.0%
New 複雑で興味を掻き立てる

 

 まず全体的な印象を…
 今回は目玉と言えそうなのがグレンリベット29年ぐらいで、マイナーな蒸留所も多く正直あまり期待していませんでした。13本中11本がリフィル・ホグスヘッド樽(いわゆるオーク樽)熟成というのもどうかなと思ったのですが、意外にバラエティに富んでいて全体のレベルもかなり高かったように感じました。樽からの影響が出にくいので、かえって蒸留所の個性が分かりやすく出てきたのでしょうか?

 

 それでは各々についてのスペックと感想を書いていきますが、樽についてはリフィル・ホグスヘッド樽以外の2本についてだけ記載することにします。


 

 ★★★ [No.1] 58.07 ストラスアイラ 27年 45.8% 77.6-05.2 Out-turn 280  ★★★

【香】非常に上品なフルーツ系の甘い香りで、満ち足りて落ち着いた気分にさせてくれる。

【味】やはり最初に上品な甘さを感じるが、ぴりっとした刺激とハーブの苦みに変わる。年数と度数からは考えられないほど元気で驚いた。


 
★★★
 [
No.2] 99.10 グレンアギー 25年 47% 80.5-05.10 Out-turn 263  ★★★

【香】トップノートはワックスで磨いたフルーツ。時間をおくとバニラが出てきて懐かしいミルキー(お菓子)の香りに変わった。

【味】フルーツの甘さとハーブ系の苦みが複雑に混じり合いはじける。

 ★★★ [No.3] 58.07 グレンタレット 16年 50.1% 88.11-05.10 Out-turn 175  ★★★

【香】フルーツ風味のクリーム、なめらかで甘い。

【味】ハッカ入りのお菓子。長期熟成ものに比較すると複雑さはないが分かりやすい美味しさ。

 ★★★ [No.4 2.65 グレンリベット 29年 56.1% 75.12-05.10 Out-turn 190  ★★★

【香】微妙に変化する甘い香りが交じり合い、花園にいるかのよう。

【味】しっかりしたボディを感じるが極めてまろやか。ほどよくウッディでミントも感じる。文句なしに素晴らしいモルトである。

 ★★★ [No.587.08 ミルバーン 21年 53.7% 83.12-05.9 Out-turn 313(ソサエティ推奨ボトル)★★★

【香】なめし皮を思わせるこもった香りの奥にフルーツの甘さが感じられる。

【味】基本はフルーツの甘さだが、薬のような苦味も混じり非常に複雑。

 ★★★
 No.697.05 リトルミル 15年 57.1% 1stフィル・バレル 90.3-05.11 Out-turn 237(ソサエティ推奨ボトル)★★★

【香】ストロー状のチューブに入ったハッカのお菓子を思い出した。いまでも駄菓子屋さんで見つかるのかな?

【味】しっかりと噛みごたえがある感じで、ローランドモルトとは思えない。複雑にからみあったフルーツの甘さにややこがしたニュアンスが加わる。

 ★★★ No.7 24.88 マッカラン 16年 55.1% 89.3-05.11 Out-turn 200  ★★★

【香】ぶどうの入ったフルーツケーキ。ややひねた香りも感じる。

【味】しっかりしたボディで、やはりぶどうを思わせる濃縮された甘さ。

 最近よく見かけるようになったオーク樽のマッカランだが、長期熟成物が多い。この年数でこれだけのものが出来るのなら、なぜオフィシャルボトルはあんなにしゃびしゃびなんだろう?

 ★★★ No.848.07 バルミニック 16年 54.9% 89.4-05.12 Out-turn 308 ★★★

【香】甘さと共にたくわんのようなひね香を感じるが嫌味なものではない。

【味】味わいはブランデーに近いように感じた。面白い変わったモルトでじっくり味わい直して見たい気がする。

 ★★★ No.925.36 ローズバンク 14年 60.4% 90.11-05.10 Out-turn 232 ★★★

【香】こってりと甘い香りの奥にかすかなミルク。

【味】やはり強烈に甘いがスパイシーな刺激も。

 かなり強烈でローズバンクの印象を変えるモルトだと思う。

 ★★★ No.10 71.31 グレンバーギ 20年 60.6% 85.3-05.8 Out-turn 264 ★★★

【香】最初に病院の廊下にただようアルコール臭、その次にバニラ。

【味】人工的な甘さで適度な刺激もあり、のどあめ(ハーブ・キャンディー)のよう。

 ★★★ No.11 23.50 ブルイックラディ 18年 56.3% 86.12-05.10 Out-turn 258 ★★★

【香】薬っぽくふわりと柔らかい感じのピート香が心地よい。

【味】甘さとスモーキーがほどよくバランスしている。飽きずに飲み続けられるモルトだと思う。

 ★★★ No.12 19.39 グレンギリー19年 54% 85.4-05.3 Out-turn 225 ★★★

【香】典型的なせっけん香で、少し前のボウモアを彷彿とさせる。

【味】味もボウモア!(甘いせっけん?)でもくどくはなっていないので、これはこれで美味しい。

 ★★★ No.13 3.115 ボウモア7年 55.7% 98.2-05.12 シェリーバット Out-turn 278 ★★★

【香】スモーキー、シェリー、カラメル。

【味】シェリーとピートの組み合わせはくどくなりがちだが、甘さとスモーキーが互いを活かしあっている感じで、非常にうまくまとまっている。

 最近のボウモアの例にもれず、せっけんのニュアンスはない。ラガヴリンのダブル・マチュアドを思い出したけど、ボディの厚さはカスクならではか?


 あまりに数が多かったので、簡単なコメントしか書けませんでした。この後に話題になった1.130(グレンファークラス40年、BAR BARNSがキャッシュオンで提供)なども飲んだけど、記憶が飛んでます(^_^;)。いつもひとつやふたつは、これは好みに合わないというものがあるけど、今回はどれも楽しめました。

 特に印象に残ったのは、「王者の貫禄」といった感じのグレンリベット、マイナーな閉鎖蒸留所にも素晴らしいモルトがあると思わせてくれたグレンアギー、優等生だけど切れ味を秘めたストラスアイラの3本ですが、あまり期待をしていなかったマッカラン、ローズバンク、ボウモアも含め、どれも期待以上だったように思います。