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裏モルト会 テイスティングノート

2003.7.13 HK氏宅にて 山崎白秋記

★★★ [No.1] グレンフィデック オフィシャル ラム樽 21年 51% ★★★

【香り】ライトでドライ。海っぽい香りがある。ボトルを明かされるまで、ハイランドモルトと思っていた。軽い熟成香。オゾンの香りも感じられる。

【味】ドライでシャープ。フルーティさは少ない。ラムの個性はどこにいってしまったのか。


★★★ [No.2] クラガンモア(クレディタブル)オールドモルトカスク 1975-2001 25年 50% ★★★

【香り】すばらしく上品な香りである。リフィルのシェリー樽とも枯れたオーク樽の熟成ものとも違う、いままでテイスティングしたことのない高貴な香りである。もちろん熟成も申し分ない。


【味】アルコールが強く感じられる。アルコールに熟成香が阻害されているのであろうか、若ささえ感じる。


★★★ [No.3] コンバルモア  マスターオブモルト  16年 43% ★★★

【香り】ライトで甘いかおり海っぽいところも。

【味】甘くやさしい香り。ライト、とげとげしさはいっさいない。


★★★ [No.4] グレングラッサ ファミリーシルバー  1973 30年 40% ★★★

【香り】アルコール臭が強い、とがった果実香である。その後甘い香りがでてくる、奥に軽いシェリー香がある。

【味】軽くシェリー、ライトでドライ。シェリーでドライと感じるのは珍しい。フルーティーではあるが、軽いピートを伴なう。30年近くねかせているはずではあるが、熟成はあまり感じられない。


★★★ [No.5] ラフロイグ シグナトリー ポート樽 アンチルフィルタード 12年 46% ★★★

【香り】ピートはかなり強い、ピートの効かせかたはラフロイグかアードベッグと感じた。ボディも中程度あり、飲み応え十分である。

【味】 ピート香が強く感じられる。甘い香りもする(ブラインドなのでポートとは思っていない)。ラベルをみて、甘さはポート由来のものなのかと感じた。


★★★ [No.6] オスロスク 花と動物シリーズ  10年 43% ★★★

【香り】アルコールを強く感じる。ドライで若く草の香りと麦芽の個性。軽くモリソンボウモア系の石鹸を感じる。

【味】フルーティー、甘い。熟成はそれほど感じない。花と動物シリーズにしては作られた感じはないが、そのぶん若さがでてくる。


★★★ [No.7] バンフ マスターオブモルト リミテッドエディション 18年 50% ★★★

【香り】トップノートは上品で甘いシェリー。その後若さあるいは、麦芽の風味がでてくる。

【味】フルーティー、甘い。シェリーの使い方がじつにバランスよく、実にうまい。通常香りが勝って味が負けるモルトが多いなか、味が勝つ数少ないモルトといえよう。


★★★ [No.8] タムデュー オフィシャル 15年 43% ★★★

【香り】トップノートはこげて甘いシェリー。その後香ばしい樽香がここちよい。

【味】熟成、シャープ、ドライ。ビッグなあじわい、ただし若干作られたような印象もある。


★★★ [No.9] ロイヤルブラックラ シグナトリー 24年 58.1% ★★★

【香り】トップノートは上品で甘いシェリー。ほどよい熟成、何杯でもいけるモルトであろうか。

【味】フルーティー、甘い。シェリー、さらに上品な熟成がすばらしい。長熟由来のナッツがこのモルトに奥行きをあたえている。


★★★ [No.10] グレントファース ゴードンアンドマクファイルズ 1979-1998 19年 ★★★

【香り】麦芽の香り、若さを感じる。

【味】フルーティ、ライト。没個性。

たいへん稀少なモルトであり、だれもが一度はテイスティングしてみたいと思っていると思う。


★★★ [No.11] グレンゴイン  オフィシャル  17年 43% ★★★

【香り】上品なフルーツ香りである。熟成も年数どうり進みメディアムボディである。ぶどうの香りもたってくる。

【味】フルーティー。軽くピーティー。 ???グレンゴインはノンピートではなかったか?

ノンピートモルトといわれているモルトではあったが、かすかに感じられたピート香は真夏の夜の夢であったのか。


★★★ [No.12] ダラスデュー ゴードンアンドマクファイルズ  1979 40% ★★★

【香り】ライトでフルーティー。ややドライ。

【味】甘くやさしい香り。ライト、フルーティー。

閉鎖蒸留所であり、なかなかお目にかかることできない、ゴードンアンドマクファイルズのボトルである。ややドライかつフルーティーなところは、スペイサイドとハイランドの中間に位置するこの蒸留所の個性か。


★★★ [No.13] グレンキャダム GM コニサーズチョイス  1974 40% ★★★

【香り】上品な熟成香が心地よい、その後甘い香りがでてくる、ミディアムボディ。

【味】フルーティーではあるが、軽いピートを伴なう。軽くシェリーを効かせている。コニサーズチョイスのなかにあっては、バランス、熟成とも満足のできるモルトである。

東ハイランドのモルトは流通量が少なく、お目にかかることが少ない。なかなかうまいものにあたらないこの地区のモルトではあるが、この日多量のモルトをテイスティングしたなかでも、かなりできのよいモルトと記憶している。


★★★ [No.14] ブローラ SMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティー)61.10 18年 58.3% ★★★

【香り】まずやさしく上品なフルーツの香り、その後ほどよい熟成香がひろがってくる。さらに花のようなかおりが香ってきて、幾重にも香りがおしよせてくる。

【味】酸味、中程度のピート、ヨード臭は無い。フルーティーも感じられ、三拍子揃った個性はブラインドでもブローラとわかってしまう。


★★★ [No.15] バルミニック SMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティー) 48.5 14年 61.9% ★★★

【香り】アルコールを強く感じる。ドライで柑橘系の果実香。

【味】フルーティー、ミディアムボディ。バーボン樽の若いモルトの個性。アルコールを強く感じる。

UDの花と動物シリーズのなかでももっともUDくさい(我々のグループ内ではこういっているが、 つまり、こってりとカラメルを連想する甘さと風味のことである)バルミニックであるが、こちらはうってかわって、もっと素朴で正統的なスペイサイドモルトである。


★★★ [No.16] タムデュー SMWS(スコッチモルトウイスキーソサエティー) 8.33 16年 55.6% ★★★

【香り】トップノートはこげたゴム、ファーストフィルのシェリーの個性。ただし、いやみを感じるほどのゴムではなく、こげた個性がおさまってから感じる熟成香は年数相応である。

【味】シェリー、シェリー。

シェリーといえばマッカランではあるが、おなじこげたゴムを感じるモルトではあるが、いやみ、くどさをかんじない寸前でとめているところが違いであろうか。


★★★ [No.17] ラガブリン オフィシャル セカンドエディション カスク 12年 57.8% ★★★

【香り】トップノートはハードなピート、ラガブリンにもこれだけハードなピートがあるんだよ そんなふうに語りかけてくる。ヨード、ビーフジャーキーの香りも強い。

【味】ピート、酸味、かるくフルーティー、ビッグなボディ。

アイラのラフロイグ、アードベッグ、カリラとくらべるとパンチで一歩ゆずる印象があるラガブリンであるが、これはそんな思いを一蹴するハードパンチャーである。ピートのきいたアイラ好きにはたまらない一本である。


★★★ [No.18] ザ・リバー・ラーガン(ボウモア) エイコーン 11年 57% ★★★

【香り】ピートの個性がつよく、アイラモルトであると主張する。ビーフジャーキーの個性もある。若さもかんじられる。ピートがなければ、かなりモルティではないだろうか。

【味】ピートがかなり強い、酸味もほどほどにあり飲みやすさをかんじる。

ブラインドでも蒸留所をはずすことのないボウモア個性ではあるが、今回はブラインドでも、その後 の種明かし後でもボウモアをかんじることはできなかった。


★★★ [No.19] ダルユーイン オールドモルトカスク 20年 50% ★★★

【香り】トップノートは軽くピートを感じさせつも、ほどよく熟成香を漂わす、じつにうまい演出である。その後、熟成由来のナッツ、エステルを感じ、上質な熟成モルトであると再認識する。

【味】ひねた熟成、古樽の個性、かるくフルーティーではあるがシャープでドライ。

一本で様々な個性を与えてくれる稀有なモルトであり、バーでは最後のオーダーとしたい。


★★★ [No.20] ダルモア ケイデンヘッド バーボンバレル  1987 60.2% ★★★

【香り】ライトでドライ、アルコール臭も強い、ややフルーティーではあるが、なかなか香りが開いてこない。

【味】味も香りと同様ドライである。ハイランドモルトか、ピートをきかせていないアイラものであろうか。しばらくするとハチミツ系の甘いかおりが軽く感じられる。

ひととおりのモルトを認識したモルト飲みが好む かれたモルトとでもいっておこう。


今回、約30種のマラソンテイスティングとなり、Noが進むほどに正確さを欠くところは、プロではないところでご容赦願いたい。